こんにちは!アクアリウムが好きな皆さん、水草増やしていますか?
今回は、「組織培養水草」の増やし方についてご紹介します。農薬が使われていないのでエビにも安全!しかも、病原菌やコケも少ないので初心者でも扱いやすいんです。
我が家では、組織培養の水草を使ってボトルアクアリウムのレイアウトをしたり、必要な時に使えるように元気な状態で保管したり、増えた分を販売したりしています。試行錯誤しながら、これまでいろんな水草に挑戦してきました。コツをつかめば難しくないですよ。
組織培養水草ってなに?
組織培養水草とは、クリーンな環境で細胞レベルから増やされた水草のことです。小さなカップに入って販売されていて、透明なゼリーのような培地に植えられています。
特徴
- 無農薬で安全:エビや貝との相性抜群
- 病気に強い:雑菌や害虫が少ない
- コケのリスクが低い:水槽をキレイに保ちやすい
水上葉・水中葉・半水上葉でいうと、組織培養水草は半水上葉です。密閉容器に入っていて、水中ではないけれど湿度が高い環境で培養されている状態です。
培地には栄養が少ないと言われています。
組織培養水草の増やし方【ステップごとに解説】

1. カップから取り出す
まずはパッケージを開けて中身を取り出します。中にはゼリー状の培地がたっぷりです。
🔧用意するもの:
- ピンセット or 爪楊枝
- 小皿やバット
- 水道水 or 浄水
- 育苗ポット
- 鉢底ネット
- 用土
- 密閉用意



プリンをカップから取り出すような感じです。培地がカップにくっついているのでなかなか取り出しにくいですが、培地とカップの間に空気が入ればポロッと取り出せます。水草をひっぱったりせず、カップの底を押したりピンセットを使ったりして丁寧に扱いましょう。
2. 水草を小分けにする

まずはいくつかのブロックに分けます。根が回って分けにくい部分もありますが、なるべく切れないように、取れやすい部分が必ずありますので、そこを見つけて解いていってください。


1つのブロックを、1株ずつ小分けにしていきます。1株1株がとても小さいので、ピンセットや爪楊枝を使って丁寧に小分けにしていきます。このとき、根を傷つけないように気をつけてください。





僕は爪楊枝をよく使います。水草の根本を爪楊枝と指で優しく挟んで、ゆっくりひっぱります。取れやすいところから小分けにしていきます。
水草によりますが、この写真を撮ったときは大小合わせて25株くらいに分けることができました。芋が大きくついているものは親株です。たまに、培養地に芋だけが取り残されていることもあります。芋を見つけたら、他の株と同じように植えるといいですよ。


3. 育苗ポットに植え付け
水槽にすぐ植える場合は、植えたい場所にピンセットでそっと挿し込みます。前景草は前の方に、後景草は奥に配置するとバランスが良くなります。
🌱コツ:
最初は密植せず、少し間隔をあけて植えると成長後に自然なレイアウトになります。
水草を増やしたり、必要な分以外を保管したりする場合は、育苗ポットに植えています。

水槽に入れる場合でも、育苗ポットに植えて一定期間養生しておくと、水中に入れたときに溶けるリスクが減るので、我が家では水槽に入れる前に必ずに養生期間を作っています。
育苗ポットに小さく切った鉢底ネットを入れ、底には黒土を少し、桐生砂で植えます。育苗ポットの縁を軽くトントンしたり根本付近をツンツンすると、桐生砂が根の隙間に落ちていきます。
🌱コツ:
株を育苗ポットの中心に配置して周りから桐生砂を入れると、根を傷つけることなく植えることができます。






黒土と桐生砂は、事前にふるいにかけています。大きな塊が混ざったままだと、とても植えにくいです。粉末状だと底穴から出ていってしまうので、写真くらいの粒の大きさが使いやすいです。


3株ずつくらいをまとめて植えています。小分けにした際に小さい株が必ず出てくるので、もしそれが順調に育たなくても3株のうちどれかは育ってくれる、という計算です。

全て植え終えたら、すぐ水やりをします。腰水にすることで、育苗ポットでも水切れを心配せずに管理できます。


1個ずつに切られた育苗ポットを、切られていない育苗ポットに重ねると、移動しやすくて倒れる心配もなくなります。水草を採るときは、切られた育苗ポットを欲しい分だけ取ればいいので楽ちんです(^^)

密閉できる容器に入れて、養生します。置き場所の明るさはだいたい40ルクスでした。特別に場所を作ったりライトを当てたりしているのではなく、水槽の明かりでついでに明るくなっている場所に置いているだけです。


容器に水草のラベルを貼って植えた日を記入しておくと、管理しやすいですよ。

あとは、水切れしていないか・異変がないかなどをたまにチェックします。
2週間後の様子です。明るい緑色の新芽が出てきているのが確認できました!組織培養カップから植え替えた日より、全体的に高さも出ています。養生期間は最低2週間とるようにしています。養生期間終了後は、照射時間や明るさを管理している水草棚に容器に入ったまま移動したり、外で管理している水草と一緒に置いたりしています。

育てる、保管する、増やす
組織培養の水草を一気に全部使うことは、なかなか難しいです。今回小分けできた25株をすぐに水槽に植えるなんて… 私の水槽ではムリです。
上記のように小分けにして植えておくことで、今使わない分を元気に育てつつ、必要になる時まで保管できます。
さらに、育苗ポットの中で新しい芋ができて増えたり、ランナーで増える水草であれば大きめのタッパーに植えるとランナーで増えたりしてくれます。
たくさん増えて余っているなら、フリマサイトなどで販売することもできちゃいます(^^)
中には枯れてしまったり元気がなくなって「もうダメかも。」と思った水草もありましたが、数か月後に復活しました。土のなかでは生きていたようです。※完全にダメになってしまった水草ももちろんあります。
今回はクリプトコリネで紹介していますが、へランチウムなど他のロゼット型の水草でも同様の方法でやっています。

もう随分長い間買っていない水草もあります。その理由は、前に買ったときの水草がずっと増え続けているから♪ 地産地消的な感じです。
よくある質問(FAQ)
今回私が小分けしたクリプトコリネをイメージした回答です。
Q. 培地が少し残っても大丈夫?
A. 少量なら大丈夫ですが、できるだけ取り除いた方がベター。植えにくいので( ゚Д゚) 小分け作業中に余分な培地は自然と取れていくことが多いです。
Q. どのくらいで増えますか?
A. 種類にもよりますが、新しい芋ができて新芽がでるまでに最低3か月はかかると思います。それまでは現状維持できていればGOOD!
Q. 溶けてしまったんだけど?
A.蒸れが原因かも…。たまに蓋を開けたり、密閉ではない容器を使ったりするといいです。
まとめ
組織培養水草は「安心・安全・育てやすい」と三拍子そろった優秀な水草です!
増やすとなると、最初は少し手間に感じるかもしれませんが、慣れてくれば観葉植物を育てるように楽しくなります。
「あれ?なんか増えてる!」の気持ちをぜひ味わってほしいです(^^)