ボクシングの試合って、相手が出られなかったら普通は不戦勝になるんじゃないの?
そう思った人、多いんじゃないでしょうか。
とくに、寺地拳四朗選手の試合が突然中止になったことで、「え?勝ちにならないの?」「かわいそう…」という声が広がりました。
でも実は、ボクシングにはちょっと特別なルールや考え方があるんです。
今回は、不戦勝がつかない理由や、健康優先の背景など、気になるポイントをわかりやすくまとめました。
そもそも不戦勝ってあるの?


スポーツの世界で「不戦勝」って…
試合をせずに勝ちが決まる!

そんなイメージがありますよね(^^)
たとえば、相手がケガや都合で出場できなくなった場合とか。
運動会のリレーでも、相手チームが棄権したらそのまま勝ち!
という感覚、わかる人も多いはずです。
でも、ボクシングでは「不戦勝」という言葉をあまり聞きません。

試合が中止になったら普通は不戦勝じゃないの?なんで?
と疑問に思う人がいるのも当然です。
実際、2025年12月27日に予定されていた寺地拳四朗選手とウィリバルド・ガルシア選手の世界戦では、前日計量をクリアした後(計量後の午後)にガルシア選手が体調を崩し、まさかの試合中止に。

それを知ったファンの間では、「なんで寺地が不戦勝にならないの?」「王座もらえないの?」という声がX(旧Twitter)などに多く投稿されました。
ところが、ボクシングでは「試合開始前の中止=不戦勝」にはならないんです。
その背景には、ボクシングという競技ならではの厳格なルールと、“人命を最優先する”というスポーツ倫理の考え方があります。
これは単なる試合の勝ち負けの話ではなく、選手のキャリアや人生、そして命にも関わること。
試合前にトラブルがあった場合、「勝ち」よりもまず「安全」を優先する。
それがボクシングの常識なんですね。
つまり、不戦勝が当たり前のように適用される他のスポーツとは違い、ボクシングには別の“空気”があるわけです。
とはいえ、寺地選手のように、万全な状態で準備を整えていた選手からすれば、試合が飛んでしまうのは本当に辛いこと。
今日の試合中止になりました。
— 寺地 拳四朗 (@KenshiroooooKen) December 27, 2025
期待してくれてる方沢山居たのに残念です。
「仕方ない」と分かっていても、努力が無駄になったように感じる瞬間は、きっと誰にでもあるものです。
だからこそ今回のようなケースでは、試合が中止になった理由や、それによって“勝ち”がどうなるのかを正しく知ることが、選手への理解や応援にもつながるんですよね。
ボクシングに不戦勝がないワケ

じゃあ実際のところ、なぜボクシングには「不戦勝」がないのか。
他のスポーツでは当たり前のように適用されるのに、どうしてボクシングだけ違うのか。
気になりますよね。
理由はとてもシンプルで、試合がリング上で開始されなければ、公式な勝敗判定が出ないという原則があるからです。
つまり、対戦そのものが行われていないので、「勝ち」や「負け」という結果をつける根拠が存在しないということ。
たとえば今回のトラブル。
2025年12月27日に予定されていた、寺地拳四朗選手とウィリバルド・ガルシア選手の世界戦。
計量無事終わりました!!
— 寺地 拳四朗 (@KenshiroooooKen) December 26, 2025
後は明日勝つだけ😊#サウジアラビア#リアドシーズン#Lemino#ボクシング#naokifukuda pic.twitter.com/FQT6ypdMrK
両者とも前日計量は問題なくクリアしましたが、計量後にガルシア選手が体調を崩し、試合前日のの夜に「出場させられない」と判断されました。
これに対してSNSでは、
「寺地に不戦勝を与えるべきでは?」
「挑戦者にベルトを渡してもいいのでは?」
という声が多数上がりました。
ですが、これは「成立しなかった試合」です。
試合がリングで始まっていない
☟
成立しなかった試合
☟
公式記録にも残らない
これが通常の対応なんです( ゚Д゚)
よく似たような状況が他のスポーツにもありますが、処理の仕方はかなり違います。
たとえば、テニスや柔道などでは相手が出場できなければ「棄権負け=不戦勝!」というケースもありますよね。
でもボクシングは、対戦形式が一対一であることに加え、タイトルマッチの重みが桁違い。
しかも、パンチ一発で選手生命に関わる危険性を伴う競技なので、試合の成立要件がとても厳しいのです。
そして今回のように、体調不良や脱水症状といった不可抗力によって出場できなくなった場合、ルール上は「選手に明確な落ち度がない」と判断されるため、不戦敗扱いにはなりません。

≪不戦敗が成立するとき≫
ドーピング違反や、明らかなルール違反(例:計量失敗や違反行為のくり返し)など
こんなときは選手の責任が明白なため、タイトルが剥奪されるか、挑戦者に与えられることもあります。
でも、今回のガルシア選手のように、「何を食べたか分からないけど、胃が悪くなった」などというケースでは、意図的な回避とはみなされず、あくまで“健康上のやむを得ない理由”として扱われるわけです。
つまり、「体調を崩した=逃げた」という短絡的な判断はルール上されないんですね。
実際、IBF(国際ボクシング連盟)やWBA、WBCといった世界主要団体では、試合が成立していない限り王座の移動は行われないという厳格な方針が取られています。
これにより、仮にどちらかが直前で出場できなくなっても、タイトルマッチの価値を守ることができるんです。
裏を返せば、それだけ「ベルトの価値」が大きいということでもあります。

ファンとしては、「寺地選手がここまで準備してきたのに…かわいそう」と感じるのも当然。
でも、その努力が正当に評価されるのは、やっぱりリングの上で結果を出してこそなんです。
次は、そんなルールの背後にある「なぜそこまで健康を重視するのか?」というテーマに迫っていきます。
なぜ健康優先になるの?

この“健康優先”という考え方、ボクシングの世界ではとても重く受け止められています。
なぜなら、リングの上は命がけの場所だからです。
ボクシングは、拳を交えて相手を倒す競技。
言ってしまえば、人間の身体と神経に直接ダメージを与えるスポーツです。
KOで勝てば歓声が上がり、ダウンから立ち上がれば称賛される。
でもその裏では、一撃でキャリアが終わることもあるし、命を落とすリスクだってゼロではありません。
だからこそ、どんなに注目カードであっても、どれだけ準備してきたとしても・・・
少しでも異常があるなら試合はやめる!
これが、今のボクシング界の“絶対ルール”になっています。
2025年12月27日に予定されていた、寺地拳四朗選手とウィリバルド・ガルシア選手の一戦もその一例。
ガルシア選手は前日計量を無事クリアしたものの、その後に体調を崩し、胃の不調などを訴えて医療機関で検査・入院。
最終的に、医師の判断によって試合中止が決まりました。

原因は明確にはわかっていませんが、ガルシア陣営によると「計量後の食事で体調を崩した。何を口にしたのかわからない」とのこと。
食中毒のようなものだったのか、減量後のデリケートな身体に何かが合わなかったのか。
いずれにせよ、ここで無理に出場していたら、最悪のケースも想定されていたはずです。
ここでつい、「いや、寺地選手の努力は?」「不戦勝でいいじゃん」という声が聞こえてきそうですが、もしも無理をしてガルシア選手がリングに上がり、試合中に倒れていたとしたら…
誰も「よかった」とは言えなかったはずです。
ボクシング界では過去に、減量失敗や試合中の事故で命を落とした例がいくつもあります。
そのたびに世界中の関係者が「もう同じことは繰り返さない」と決意し、ルールや安全基準を見直してきました。

だから今では、リングドクターの権限が強化され、試合前の体調不良でも医師が「危険」と判断すれば即中止。
その判断を、誰も覆すことはできません。
主催者やファンにとっても、痛手なのは間違いありません。
しかも今回の大会は、有料配信(PPV)での視聴者も多く、「5試合中2試合が中止」という事態に不満の声もありました。
でも、それでも健康が最優先される。
選手の命が守られなければ、次の試合も、次のチャンスも、存在しないからです。
「また次がある」――そう言えるのは、生きて、健康でいられるからこそ。
寺地選手の悔し涙も、ガルシア選手の無念も、すべては「無事だった」という結果の上に成り立っているのです。
だからこそ、私たちファンも「命が最優先」「次に期待しよう」という気持ちで、前向きに選手たちを応援していきたいですね。
まとめ
ボクシングで不戦勝が適用されないのは、単にルールの話ではなく、「命を守る」という競技の本質があるから。
試合が中止になれば残念なのは当然ですが、それ以上に大切なのは選手が無事であることです。
寺地拳四朗選手の試合が中止になった今回のケースも、まさにその象徴。
努力が報われなかったように見えても、リングに立てる機会はまたきっと訪れます。
「不戦勝じゃないの?」と思った疑問が、「なるほど、そういう理由か」と納得に変わっていたら嬉しいです。
そして何より、今後の寺地選手の活躍を楽しみにしながら、また次の試合を待ちたいですね。